ポイント1
現在、中国においては「文化財保護法」が改正されてから、古物市場で取引してよいものと、取引の対象にしてはならいものがあります。保護すべき文化財は、禁止されているものがありますので、中国の文物は、推定の制作年代がわっているものは、取り引きの対象にならないことがあります。
1990年代頃から、中国では、古物市場で陶磁器や民芸品などの取引が活発になり、大規模な市場では、大勢の観光客や掘り出し物を探しているコレクターなどが大勢押しかけて、中国の古物を売り買いしていましたが、あくまでも古物市場で取り引きされているものは、古物であり文化財ではないという解釈のもとで、文物局は黙認してきましたが、古物市場の現状と法規を照らし合わせると乖離していることがでてきました。
法規では、私人が収蔵している文化財は、許可なく売却することが原則、厳禁とされており、その文化財は、文化行政管理部門の指定を受けた組織が購入することができますが、文化財に類するものを個人や組織が売買してはならないことになっています。そのため中国の文化財を海外に持ち出してはいけないことが、審査基準が設けられているようです。中国の貴重な文化財が流出しないように、基準では、1949年以前に制作された歴史のある芸術作品は、原則として海外に持ち出してはならないとなっています。そのうち、1911年以前に制作された文化財に類するものは、海外に持ち出してはならいことが定められているようです。
ポイント2
中国では、文化遺産の保護を強化していることから、2007年頃から規制が厳しくなりましたが、其れ以前に中国からの古物を購入していたり、誰かから寄贈されたものがある場合は、良品の古物の可能性があります。
文化財を海外に持ち出しすることを禁止する審査基準が緩和されていた2007年以前の中国では、長期間中国に赴任していた方達が中国の古物を持ち帰っていることがあります。あるいは、御仕事の関係で、中国の著名人と交流があった場合は、何かしらの贈り物をいただいていると思われます。そのため御家族のなかで20年~40年ぐらい前に、誰かしら中国に行ったことがあり、中国で古物を購入していたり、または、中国本土の誰かに贈答品としてもらったものがあったら、良品の可能性がたかいかも知れません。
ポイント3
中国系の古物は、大衆的な店頭で購入した作品のほとんどが歴史のある名品を写した倣古品の可能性がたかいので、信頼のおける老舗や優良なオークション会社で購入したものでないと、評価が付けにくいかも知れません。
オークション会社では、作品の真贋を見定めることのできる専門家がいらっしゃいますので、オークションの基準を充たしている作品は、出品されることになります。その作品が競りだされるまでに、作品を直接みることができる下見会の開催とオークションに出品されるカタログが作成されますが、これらの段取りを経過している作品は、美術的な価値を有しているものだといえます。そのため、その作品が過去どのような経緯で手元にあるのか、はっきりしているものは、評価が付けやすいものになります。
ポイント4
仏像や仏画は、制作された年代と仏師などが特定できる作品は、評価がしやすいものになります。
著名な仏師によって造られた仏像は、信仰対象として開眼供養されていることがありますので、粗相がないように取り扱うことが多く、もし、そのような仏像をもっている場合、どのように処理していいのか困惑しているご家庭も多いのではないでしょうか。しかも、ご家庭で拝まなくなった仏像が部屋で埃を被っている状態だったら、なおさらだと思われます。そのような仏像は、いちど魂抜きをしてから、あらたな持ち主が現れるまで保管します。その魂抜きを正式には、撥遣(はっけん)作法と呼ばれていますが、お祀りしないときは、閉眼しておくのがよいと思われます。もし、そのような仏像をお持ちの場合は、ご相談していただければ、引き取りにいきますので、ご連絡を下さい。
よく仏像が美術館に展示されることがありますが、それらの仏像は、関係者によって魂抜きした状態のものであることが多いようです。
ポイント5
中国の陶磁器は、官窯で造られたものが評価が付くことがあります。
現在、大衆的な市場で出回っている中国陶磁器は、工芸品を取り扱っている陶器工場で量産された模倣品が見受けられます。当初は、工芸品として販売されていた陶磁器でも、いろいろなところを流れていくうちに、あたかも本歌のような趣向を凝らしたものに作り替えられることがあります。そのような作品は、ほぼ評価できないものといっていいかもしれませんが、時代のふるい倣古品になると、評価できる陶磁器があるようです。
たとえば、清代のときに宋と明の陶磁器を復刻した倣古品がありますが、これらの作品は、名窯の特徴が写されていることから、宋・明代のものではないですが、高級倣古として取扱いができるものになります。中国の陶磁器は、宮廷直属の窯元のことを官窯(かんよう)と呼ばれていますが、官窯の作品は、陶磁器の底部に年款銘(ねんかんめい)を入れることがあります。これは、その時代の中国を統治していた皇帝の年号を入れて、その時期の作風のものであるという書付が慣例化していったそうです。中国骨董品は、その時代につくられた元号が刻まれていることがありますが、写した作品も、その当時の文字をそっくりそのまま再現しているので注意が必要です。
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